MIJ-01 Manual

5.Other Setting冷接点補償温度と電池電圧、シリアルデータの設定
熱電対の冷接点補償用にロガーの端子台近傍に装備されたアルミブロックの中にサーミスタ温度計を内蔵しています。この温度計で熱電対の冷接点側、つまり端子台近傍の 温度を絶対値で計測しているのですが、この値はロガーが設置された雰囲気の温度を記録する用途にも使えます。また搭載した直列4本の乾電池の電圧もモニターでき、そ の記録も可能です。デフォルトでは両方にチェックマークが入っており、記録する設定になっています。データメモリーは十分すぎるほど搭載していますから通常はこのま まで使って頂くのが良いでしょう。

シリアル通信でデータを出す測定器の設定を行う場合、COM1 and COM2
Settingで使用する測定器の仕様に合わせて設定します。使用できるセンサーの仕様は基本的には3 線式に対応しています。機器によってはコントロール線(CTS,RTS)も接続して送受信タイミングを合わせる必要がありますが少ない存在です。通常はASCIIコードで受信、 記録します。データコンバート時にエンコード方式を変えることで2byte文字が含まれている場合に対応できます。基本的にはASCIIで大半の機器に対応できるはずです。 項目を見ていきましょう。

Activation
COM1、COM2の使用を決定します。アナログやカウンタ同様、チェックが入っていると使用するということになります。

Data Length
RS232の受信データ長です。8bitのみ対応しています。

Baud Rate[bps]
通信速度の設定です。選択可能な速度は1200,2400,4800,9600,19200,38400,57600,115200bpsの8種類です。

Parity
パリティビットの選択です。選択可能な項目はNone,Odd,Evenの3種類です。文字通り、パリティなし、奇数パリティ、偶数パリティを表しています。

Stopbit
選択可能な項目は1または2です。

Control Signal
コントロール線の使用の有無を決定します。選択可能な項目はNONE,RTS/CTSの2種類です。フロー制御のみに対応していますが、相手側機器との相性が出る可能性があ ります。

TransmissionInterval[msec]
接続機器のデータ送信周期です。接続するセンサーの設定に合わせてください。設定値を超えてもセンサーからの応答がない場合はタイムアウトします。

Text Length
接続機器が送ってくるデータの長さを指定します。データの先頭から改行コードまでの文字数です。MIJ01は多様なデータフォーマットに対応するため、これらの区切り文 字もデータも一括して指定文字数分だけすべてを記録する仕様になっています。例えば、LI-COR社LI-6252では測定値のフォーマットは__123.456
(“_”は実際は半角スペー スになっています。)という具合に、桁数が変わっても文字列の長さそのものは変わらないような仕様になっています。あるいはVaisala社ウェザートランスミッタWXT520 では測定値の桁数が変わるとその分、文字列全体の長さが増減します。この手のデータを送信するセンサーに対しては各測定値が最大値として得られた場合の長さを考慮し て設定してください。なお、最大文字数は250文字です。

+12VPreheatTime[sec]
シリアル機材をプレヒートで間欠運転する場合に使う項目です。ロガーの12V1、12V2端子を使用します。独立制御で2つのセンサーを制御できますがDC12V固定です。プ レヒート時間のみ設定できます。プレヒート時間の設定値はデータを送信するまでに必要な時間、つまり機材の立ち上がり時間に合わせますが、それは機器により異なりま すので適宜調整してください。

TextEncode
データ変換時の文字コードの種類を指定します。多くの場合,受信データはASCIIコードのままですので,基本的にASCIIのままでかまいません。全角文字等が含まれてい る可能性がある場合は文字コードを変更してみてください。

Set Continuous Logging Mode
データ送信周期が1秒未満の機器を接続し連続してデータを取得する場合はチェックをいれてください。チェックを入れると冷接点補償温度、電池電圧モニタを含むアナロ グ入力は一切使用しない設定になります。遅いサイクルのアナログ等の計測が、高速度の通信に対して邪魔になるからです。

シリアルデータの取り扱い
例として前述のWXT520の全測定値を送信したものを記録したものを取り上げます。このセンサー場合、データそのものの区切り文字として半角スペースが使用されていま す。シリアルデータをログしたとき、以下のようにセルの中に文字列と数値が混在する形が多く見られます。

Comport1 COM1sensor

0R0 Dn=274D Dm=274D Dx=274D Sn=0.0M Sm=0.0M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.8C Ua=32.6P Pa=1023.1H 1023.1 
0R0 Dn=064D Dm=108D Dx=108D Sn=0.0M Sm=0.0M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.8C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0
0R0 Dn=238D Dm=238D Dx=274D Sn=0.0M Sm=0.1M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.1H 1023.1
0R0 Dn=274D Dm=290D Dx=290D Sn=0.0M Sm=0.1M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0 
0R0 Dn=048D Dm=048D Dx=048D Sn=0.0M Sm=0.0M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0
0R0 Dn=334D Dm=334D Dx=337D Sn=0.0M Sm=0.1M Sx=0.1M Ta=25.9C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0 
0R0 Dn=274D Dm=274D Dx=274D Sn=0.0M Sm=0.0M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0 
0R0 Dn=333D Dm=346D Dx=346D Sn=0.0M Sm=0.1M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1023.0H 1023.0 
0R0 Dn=323D Dm=004D Dx=004D Sn=0.0M Sm=0.1M Sx=0.1M Ta=25.8C Tp=25.9C Ua=32.5P Pa=1022.9H 1022.9


この場合、データ解析を行うには数値のみを抽出すると具合がよいのですが、エクセルの関数としてLEFTとRIGHTを用いると良いでしょう。例えば上記のPa=1023.1Hと いうセルについて、その横に数字のみの列を挿入しています。この場合、右のHが邪魔、左のPa=が邪魔な存在ですから、=LEFT(RIGHT(W170,7),6)という関数を使えば良 いです。W170はPa=1023.1Hというセルを指し、RIGHT(W170,7)で右7文字のみ抽出、更にLEFT(RIGHT(W170,7),6)で左6文字を抽出するという意味です。

Default to Factory
Settingボタンについて このボタンはロガーとELOGが通信状態にあることを前提に使います。ロガーの設定内容を工場出荷時に戻す役割です。なんだか良く解らない状態に設定してしまったとき などに使ってください。ロガーの校正値など重要なデータを消去する事はありません。

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