11.マルチプレクサMUX64/32の接続 11-1.マルチプレクサの概要 規模の大きな観測を行う際に不足しがちなアナログ入力端子を増設するのがマルチプレクサ(MUX)です。ロガー1台につき合計2台のMUXを接続できます。MUXを使ったチ ャンネル増設、プレヒート増設の概念を図に示します。
ロガーのDIFF1を例に、DIFF1-1〜DIFF1-8に、つまり8倍のチャンネル数に増えています。他のDIFFやPRHも同様です。この分配方法のメリットは配線のトラブル、特に 接触不良時のトラブルを分散できることです。例えばDIFF1を一気に32分割すると、DIFF1系統に接触不良などのトラブルが生じたとき、32chが一気に全滅します。同じ事 がPRH側にも言えるため、プレヒートタイプのセンサーが全部に接続されている場合はその可能性が2倍になります。この可能性を最小限にする目的で、DIFF1chあたりの 増幅数を8chまでに制約する設計をしています。もう一つのメリットは、増幅したいチャンネル数は実際の所、MUX1台単位ではなく、不足分の数ch単位を増設したいと、 つまり、MUXのchを全部使うわけではないことが多いということも挙げられます。配線は上記DIFFとPRHの分岐、MUX CTRL(MUXコントロール)3本、MUX PWR2本で す。上記のMUX32/64 1台目とMUX32/64 2台目は全く同じマルチプレクサです。実運用では1台目と2台目と外観で解るようにマークを付けるなどの工夫をしてください。 MUXの増設台数とチャンネル数の関係を下記します。プレヒート数はDIFFと同数です。
組合せ | DIFF入力数 |
MIJ-01のみ | 8 |
MIJ-01 + MUX | 36 (=MIJ01/4ch+MUX/32ch) |
MIJ-01 + MUX + MUX | 64 (=MIJ01/0ch+MUX/32ch+MUX/32ch) |
MUXの端子台の詳細を図に示します。緑色の枠がMIJ01、もしくはMUX2台目との接続に使う端子台、黄色の枠は増設したDIFF、PRHを示しています。
11-2.MIJ01にMUX2台を接続するとき、MUX付属のケーブルを使った実際の配線を表8-2.に示します。付属するケーブルは16芯の通信ケーブル、5芯の電源&コントロール ケーブルが各1本になります。配線が終わったら、コントロール系はアナログ系となるべく離して固定してください。アナログ系にコントロールのデジタルノイズをなるべ く侵入させないための配慮です。拡張したいチャンネル数によっては全部配線しなくても構いません。例えばDIFF1だけを8倍拡張したいときは、通し番号 1,2,3,4,A,B,C,D,Eを配線します。つまり、通し番号A,B,C,D,Eである電源&コントロールのケーブルは必ず接続せねばMUXは動作せず、アナログ分岐ケーブルは必要に応じ て配線すると理解してください。この配線は付属のケーブルを使った場合のピンアサインというだけであり、お手持ちのケーブルを使って頂くこともできます。その場合は 通信ケーブルにはAWG24〜23程度、電源&コントロールケーブルにはAWG24〜23程度を推奨します。
くれぐれも配線ミスがないようにお願いします。
通信ケーブル1 (MIJ01~ MUX No.1間の接続用 | |||||
通し番号 | ケーブル色 | マーキング | MIJ01端子台 | MUX-No1. 端子台 |
MUX-No2. 端子台 |
1 | 赤 | 白ライン | DIFF 1H | DIFF From Logger 1or5 H | |
2 | 赤 | DIFF 1 L | DIFF From Logger 1or5 L | ||
3 | オレンジ | 白ライン | PRH 1 + | PRH From Logger 1or5 + | |
4 | オレンジ | PRH 1 G | PRH From Logger 1or5 G | ||
5 | 青 | 白ライン | DIFF 2 H | DIFF From Logger 2or6 H | |
6 | 青 | DIFF 2 L | 10 | ||
7 | 緑 | 白ライン | PRH 2 + | PRH From Logger 2or6 + | |
8 | 緑 | PRH 2 G | PRH From Logger 2or6 G | ||
9 | 黄 | 白ライン | DIFF 3 H | DIFF From Logger 3or7 H | |
10 | 黄 | DIFF 3 L | DIFF From Logger 3or7 L | ||
11 | 茶 | 白ライン | PRH 3 + | PRH From Logger 3or7 + | |
12 | 茶 | PRH 3 G | PRH From Logger 3or7 G | ||
13 | 黒 | 白ライン | DIFF 4 H | DIFF From Logger 4or8 H | |
14 | 黒 | DIFF 4 L | DIFF From Logger 4or8 L | ||
15 | 灰 | 白ライン | PRH 4 + | PRH From Logger 4or8 + | |
16 | 灰 | PRH 4 G | PRH From Logger 4or8 G |
電源&コントロールケーブル (MIJ01〜MUX-No.1間の接続用) | |||||
A | 緑 | MUX CTL 1 | MUX CTL1 (左) | ||
B | 黄 | MUX CTL 2 | MUX CLT2 (左) | ||
C | 白 | MUX CTL 3 | MUX CLT3 (左) | ||
D | 赤 | MUX PWR OUT + | MUX PWR OUT + (上) | ||
E | 黒 | MUX PWR OUT PG | MUX PEWR PG (上) |
通信ケーブル2(MIJ01〜MUX-No.2及び、MUX-No.1〜MUX-No.2間の接続用) | |||||
通し番号 | ケーブル色 | マーキング | MIJ01端子台 | MUX-No1.端子台 | MUX-No2.端子台 |
1 | 赤 | 白ライン | DIFF 5 H | DIFF From Logger 1or5 H | |
2 | 赤 | DIFF 5 L | DIFF From Logger 1or5 L | ||
3 | オレンジ | 白ライン | PRH 5+ | PRH From Logger 1or5 + | |
4 | オレンジ | PRH 5 G | PRH From Logger 1or5 G | ||
5 | 青 | 白ライン | DIFF 6 H | DIFF From Logger 2or6 L | |
6 | 青 | DIFF 6 L | DIFF From Logger 2or6 L | ||
7 | 緑 | 白ライン | PRH 6 + | PRH From Logger 2or6 + | |
8 | 緑 | PRH 6 G | PRH From Logger 2or6 G | ||
9 | 黄 | 白ライン | DIFF 7 H | DIFF From Logger 3or7 H | |
10 | 黄 | DIFF 7 L | DIFF From Logger 3or7 L | ||
11 | 茶 | 白ライン | PRH 7 + | PRH From Logger 3or67+ | |
12 | 茶 | PRH 7 G | PRH From Logger 3or7 G | ||
13 | 黒 | 白ライン | DIFF 8 H | DIFF From Logger 4or8 H | |
14 | 黒 | DIFF 8 L | DIFF From Logger 4or8 L | ||
15 | 灰 | 白ライン | PRH 8 + | PRH From Logger 4or68+ | |
16 | 灰 | PRH 8 G | PRH From Logger 4or8 G |
電源&コントロールケーブル2(MUX-No.1〜MUX-No.2間の接続用) | |||||
A | 緑 | MUX CTL1 (右) | MUX CTL1 (左) | ||
B | 黄 | MUX CLT2 (右) | MUX CTL2 (左) | ||
C | 白 | MUX CLT3 (右) | MUX CTL (左) | ||
D | 赤 | MUX PWR + (下) | MUX PER + (上) | ||
E | 黒 | MUX PWR PG (下) | MUC PWR PG (上) |
MUXを2台接続する際のピンアサイン