土壌酸素センサー MIJ-03
Soil Oxygen Sensor MIJ-03
2006年に開発し日本のみならず海外の研究者達が使用しています。
土壌中の酸素と言えば、酸化還元電位ORPの測定と混同されがちですが、本センサーで計測するのはO2という分子の形をした酸素の濃度、もしくは土壌水、(降雨後など、しゃぷしゃぷの土壌)の場合には土壌水中のO2と物理的に平衡した気相換算値となります。土壌中に解離したイオン類は一切検出しません。光量子の強度と植物近辺の土壌酸素が逆相関の関係にあることが、このセンサーで確認できます。
植物の健全な成長には根呼吸が大きな影響を与えるとされています。MIJ-03土壌酸素センサーは土壌内の酸素濃度を0.1%分解能で検出します。通常は鉛直方向に数十cm間隔で複数個を埋設して使用し、酸素の鉛直プロファイルを計測する用途に用いられますが、植木鉢などの場合には1個ずつ設置するという使い方も可能です。
Features
・土壌酸素濃度を長期にわたり連続して計測
・センサー周辺が雨水で飽和してしまっても、機械的に溶存酸素の気相換算値として出力
・スパン校正は大気中の酸素濃度(20.9%)にて実施可能、ゼロ校正不要
・電力不要
溶存酸素センサーとMIJ-03土壌酸素センサーとの違い
MIJ-03土壌酸素センサー
土壌は冠水することは稀なので、溶存酸素センサーでは測定ができない期間が長すぎることを解消するために開発された酸素センサー。電極と土壌が直接接触しない構造なので、ノーメンテ、恒常設置が可能。
通常の測定範囲は0〜20.9%。土壌内酸素は大気中酸素の20.9%より高くなることは無い。
特例的に田んぼは冠水時期や水を抜く時期があり、1年を通して計測する場合は溶存酸素センサーと土壌酸素センサーを一緒に使うことが多い。
溶存酸素センサー
水中に溶存している酸素、溶存酸素を測定するセンサー。
過飽和を除く通常の測定範囲は0〜20mg/L、ppb単位の計測。
恒常設置の場合は電極の汚染に注意。
Setting Image
データロガーと組み合わせたMIJ-03を計測したい深さに埋め、深さ方向プロファイル計測や、水平分布の計測をしたりと使い方は多種多様です。
Figures
How it works & Schematic
埋没するだけで土壌の中の酸素を検出
(データロガー別売り)
MIJ-03土壌酸素センサー概略図
干渉ガス
Specifications
測定原理 | ガルバニ電池+ ガス透過膜方式 |
形状 | φ40、全長78 mm (ケーブルグラントは約50mm |
出力 | 約45~65mV(at 20.9%O2時) |
重量 | 約220 g(ケーブル含) |
ケーブル長 | 約5m(+/白, -/黒, シールド付) |
温度特性 |
相対湿度100%, 酸素濃度20.9%時, 20.8% at 5℃, 19.4% at 40% 相対湿度0%, 酸素濃度20.9%時, 検出できず(影響なし) |
標準使用温度 | 0~40℃ (温度補正式を使用することで-10~60℃の範囲で使用可能) |
データ回収 | 別途データロガーを準備するか購入する必要がございます。(センサーだけでは、データは見れません。) |
温度補正
MIJ-03の値を正確に得るには温度補正が必要になることもあります。
標準使用温度は0~40℃で使用する場合は、温度補正は必要ありませんが、使用環境が40℃を超える場合等は、温度補正が必要になります。
この場合、MIJ-03の校正時にも埋設時にもセンサー温度を記録する必要があります。
温度補正を行う場合に必要になるものは以下の通りです。
・データロガー(2ch以上)
・温度センサー(弊社のNLTPもお勧め)
・MIJ-03
温度補正式詳細は以下のダウンロードボタンからファイルをダウンロードして下さい。