波長感度特性・スペクトルエラー

光合成有効放射(PAR)の評価は400〜700nmの光量子フラックス密度(PPFD)の測定によって行われています。一方 、植物の葉は700nm以上の赤外域の光量子を良く透過するため、植生内では光合成には利用できない赤外域の光量子 NIR-PFD(Near Infrared Photon Flux Density)の比率が高まります。日中の晴天時にはNIR-PFD /PPFDは0.9位である のに対して植生中では6.0近くまで上昇するので、NIR-PFDを少しでも感じてしまうセンサーでは植生内の正確なPPFD の測定が行えません。そのため、UV/IRカット蒸着フィルターによってNIR-PFD成分を強く吸収する設計が広く行われ ています。しかし、Si型センサーの最大感度はNIR-PFD領域800〜1000nmにあるため、光学的な副作用が生じやすくな ります。また蒸着フィルター特有の経年劣化も生じます。一方、GaAsP型センサーは,680nm以上の領域に感度が無い ため、このようなフィルターが不要です。GaAsP型センサーの有用性は多くの研究者によって確認されていて、この分 野の第一人者であるPearcy(1989)によっても推薦されています。MIJ-14シリーズではさらにHOYA-LB40を加えること で400〜700nmのスペクトル感度のバランスを整え、晴天時と曇天時に生じる微妙なスペクトルエラーも抑制しています。