入射角特性・コサインエラー MIJ-14RADK2





太陽光がセンサーに照射されるその入射角度は、年周期では季節変化、日周期では日の出から日の入りと、季節、時刻に 応じて変化します。光センサーは入射角度に対して正しく応答しなければなりません。フォトダイオードそのままを光セ ンサーとして使用できない理由の一つでもあります。キャンに入ったタイプもプラスチックモールド品も入射角を考慮し た設計ではないからです。この応答を調節するのが拡散板と遮光リングです。形状設計の自由度は高い部品ですが、 MIJ-14シリーズの拡散板では、素材そのものが持つ透過スペクトル、拡散係数、耐候性、撥水性、量産時の加工精度の 限界(一般精度以内)、雨滴のスムーズな排除、乾性沈着などを考慮して設計しました。その結果、PTFEを素材に選定 、φ14mm、突出し量1.3mm、表面曲率R40、最低肉厚4.5mmという形状に至りました。曲率については、フラットな形 状に比較すると、入射角特性は不利な条件を生じますが、降雨で問題となり得る雨滴のレンズ効果による過大評価を抑え るために、雨滴のスムーズな排除を目的として設定しています。最低肉厚は素材の拡散係数と実験結果から、十分な拡散 はPTFEの場合4.0mmが境界であることを確認、4.5mmに決定しています。ここで言う十分な拡散とは、拡散板を透過し た光を例えば拡散板内部から観察した場合に入射角度に応じて光強度にムラが存在しない状態を指します。拡散板の下に フィルターとフォトダイオードが存在する構成である限り、そのムラが存在すると、入射角特性に癖があるフォトダイオ ードの応答に影響し、コサインエラーを生じます。拡散板が入射角特性に対して担う角度の範囲は実験的に0〜80°であ ることが確認できており、これ以上の角度では拡散板が筐体から付き出す形状である限り、理想的な応答+100%を越え る過大な応答を示します。逆に拡散板が筐体とフラットな位置関係の場合には、無限平面で無い限りは、15〜90°の範 囲でダラ下がりの過小評価になります。MIJ-14では実用的な筐体サイズの範囲で、このエラーの抑制の為に拡散板外周 に遮光リングを設置しています。
K2型では、ハイエンドユーザーの要望を理由に、実用範囲の0〜79°のフルフラット化もしくは素直な特性になるべく という事項を優先し、80〜89°の特性を多少犠牲にしたセッティングです。この調整は、主に内径φ4のアパチャーを増 設した事によるわずかな効果で、意味があるかないかが問われる程度のセッティングです。