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Delta-T 携帯型蒸散測定装置ポロメータAP4解説
AP4カタログ&マニュアルはこちら

Delta-T社のAP4は、前機種AP3の後継機種として発表され発売10年以上、世界各国で使用されております。LI-1600が生産中止になった現在、ポロメーターと呼んでも差し支えの無い唯一の蒸散測定器です。

測定原理も簡単で、本体内部にポンプが内臓されていて、シリカゲルを通して乾燥空気がチャンバー内に送られます。これがZERO値となりベースラインを検出します。ただし、雰囲気湿度の近辺で計測を行う必要がありますから、ベースラインは完全に0%RHと言うわけではなく、雰囲気湿度から-10〜-20%の間で自動的に下降させます。

その後、葉を挟んだ状態で計測し、ベースラインとの差を気孔コンダクタンスとして数値化することで常に定常条件(SteadyState)で測定をしています。概ね測定時間は数十秒で測定完了し、1500データ蓄積可能です。電源は充電式バッテリーで、連続20時間使用可能です。
(まあこれはchampionDataとしても16時間はいけます)

またAP4の最大の利点として、測定現場で自己校正が出来る事があげられます。AP4は本体に基本データが蓄積されており、標準装備の校正プレートを基準として精度補正をユーザーで実施可能なのです。この現場校正を行えば5%以内に精度を維持できます。ユーザーの熟練度が上がれば3%以内に校正を行えます。使用前に現場校正、年一回程度は弊社に送り返してファクトリーキャリブレーションを実施して頂ければ、高い精度を維持することが可能になります。

測定スポットまでのリーチ(葉の端からどこまで届くかの距離)は最大70mmです。AP4はチャンバー上部に光量子センサー、チャンバー内部にサーミスタ温度センサーが付いています。

悪い点と言えば、スーパーポロメータではLCDに表示される蒸散速度(gH2Om-2s-1)が、AP4の画面では表示されない事です。ただし気孔拡散抵抗と葉面境界層抵抗から計算式で算出可能です。

蒸散速度の計算は以下の式で行います。
E = cv (wvdc - wvdl)
E : flux density of water vapour, in g m-2 s-1,
cv : conductance in velocity units, m s-1,
wvdc : water vapour density, at the cup RH and temperature, g m-3.
wvdl :water vapour density, at the leaf RH and temperature, g m-3.

現在LI-COR社のLI-1600スーパーポロメータをご使用中の方にとっては、AP4との比較はどうなのかが気がかりだと思いますが、
ざっとした比較をDelta-T社が提示してます。こちらでご確認いただけます。

ポロメータから得た計測値を使って、蒸散速度を求めるワークシートを準備しました。
AP4CALC.xls



他にもデカゴンのポロメータなどございますが、概略は弊社ブログにてご一読いただけます。

では、写真を見ながら解説します。まずは本体周辺。
重量約3kgなので、十分軽量な方です。ショルダーベルト付きで、蓋を閉めると全体がバッグになります。 左サイドにリーフチャンバーとシリカゲルカラムの収納があります。キャリブレーションプレートもここに収納します。シリカゲルは使用前に電子レンジで乾燥させましょう。繰り返しの使用は可能ですけど、年一回程度は新品のシリカゲルに交換しましょう。 電源投入は「ON」を押すだけ、特に暖機運転などは不要です。ここが光合成&蒸散測定装置との違いで、いつでも Ready to use なのです。
計測時の画面です。1回の測定に要する時間は、約10秒程度です。葉を鋏んでリーフクリップの赤いボタンを押すと、自動で計測を繰り返します。写真で解るように1〜の表示は、計測を繰り返した履歴です。 写真のように方っておいたら、ひたすら計測を続けます。この例の場合0.38cm/sに安定してきています。安定したかどうかはAP4が音でお知らせしますので、ピピッと鳴ったら安定したという目安です。この例では4回目に音が鳴りました。 ここでOKという判断をAP4のブザー音、もしくはユーザー自身で行って頂き、赤いボタンを押します。すると写真のような画面に切り替わります。コンダクタンス、葉温、PARを記録します。


リーフクリップ周辺。
リーフクリップです。洗濯ばさみと同じ要領で、葉を鋏みます。赤いボタンの先にある拡散板の裏にPARセンサーが組み込まれています。 光合成蒸散測定装置とは異なり、恐ろしく軽量なリーフクリップなので、電池が持つ16時間程度の計測を行う際には負担が軽いです。 リーフクリップ下部に細長い穴がありますが、この奥に湿度センサーが装備されています。付属のキャリブレーションプレートを使った現場キャリブレーションが可能です。しかし、湿度センサのドリフトは避けられませんので、年一回はファクトリーキャリブレーション(弊社で対応)を行う方が良いです。1週間程度お時間を頂いています。
これがキャリブレーションプレートです、裏側に装着する水を染み込ませた紙から、大小の穴を通して水分が蒸発する速度を基準に校正します。 リーフクリップには、このように装着します。 裏側の様子。万年筆の吸い取り紙が良好な水の保持を行います。文房具屋さんで100円程度で一生分購入できます。
シリコンラバーの中央に見えるのが葉温センサーです。ほぼ直接葉に接触した計測になりますから、正確です。 上から見た葉温センサー。左側が日除けシャッター。 日除けシャッターの分光透過率です。見た目より透過しないので、暗処理可能です。


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